最近、住宅工事のご計画中のお客様とお話した際、ご質問頂いた住宅工事関連のお悩み事などにお答えした内容の一部を一問一答で下記へ掲載いたしました。ご参考になれば幸甚です。
建築工事にあたって官庁などの「届け」について
リフォーム建築は建築確認などの届けをしない場合が多いようですが、届けをしなかった場合どのような不利益が及ぶのでしょうか?
不利益というより、法律その他で制約をうける事柄を無視して建築を行えば是正させられますから、結局無駄な費用と時間を費やすことになります。住み良い街を造るために「基本的人権である財産権の制約も止むえない」との考え方で都市計画行政が行われています。都市計画法を中心に、建築基準法などに様々な制約、制限が定められています。美しい街造り、安全、安心の街造りの基本となる法律を守る事で、個人の財産権が制限されるのもやむを得ないのではないかと思います。
小規模のリフォームと言えども都市計画区域内では床面積が10平方メートルを超える増・新築は建築確認を受けなければなりません。準防火、防火地域は面積に関係なく確認申請が必要と定められていますが、実際は殆ど申請をせずに工事がなされています。計画道路の予定地や防潮堤など防災のための公共工事が予定されている場所では建築制限が定められていますから、建築工事に先立ち、十分な事前の調査が欠かせません。官庁の担当部署などへ出向き調査なさる事をお勧めします。 その他「建築工事着工届」「建物除去届」「危険物貯蔵所設置届」などなど県知事や消防署などに届け義務が定められているものがあります。
住宅の「耐震補強」について
私の住宅は筑後50年以上を経過、土台や、柱の根元が蟻害にあったり腐食が進んで素人の私が見ても十分な耐震構造の建物に直すのは無理ではないかと思います。
耐震改修に対し、助成金が出ると聞きましたが、完壁な耐震補強工事をしないと助成の対象にならないのではと思いますが、少しばかりの助成金を得るために新築するよりも多くの工事費をかける結果になる心配があります。何を基準に耐震補強の判断をすべきでしょうか?
新築なら木造でも大地震にビクともしない建築をすることはさほど難しい事ではありませんが、年数を経た既存建物に完璧な耐震性能を保たせる工事は難しい場合が多いのではないでしょうか。
建物の構造のみならず、敷地の地盤や地形の改良も必要です。
既存の建物をそのままに、建物直下の地盤を改良したり、裏山の崖の補強をするのは物理的に、あるいは個人ではその費用負担が難しい場合が多いと思います。殆どの既存住宅での完璧な耐震補強工事は大変難しい場合が多いと思います。
したがって耐震性能の程度については、大地震の場合でも「最低人命が守られる補強」つまりわずかな建物の「ねじれ」や「傾き」が起きる所までは容認する代り、建物上部の構造物が落下したり、建物自体が崩壊してその下敷きになって命を失う事が絶対起きない所までの、確実な補強にとどめて経済性を優先すべきでしょう。
建物直下の地盤が軟弱で液状化が起るおそれのある場合や、崖崩れや土石流の通り道になる心配がある場合は、安全な場所へ移築をするより仕方なく、既存の敷地や住居の耐震工事をあきらめ、建て替えや建築場所替えを選択するしか方法は無いと思われます。地震災害のみならず気象災害全般に対する備えとしても崖崩れ対策、土石流対策を考えるようにしましょう。
何時来るのかわからない、来ないかも知れない地震に備えて耐震工事を行ったり、安全な場所への移築は、費用もかさみ一見無駄な出費のようですが、かけがえの無いご家族とご自分の命を守る投資と考えてください。一回だけの災害でも命が失われれば人生は終わりです。その命を失わないための「最低の備え」と耐震問題をとらえ、災害に備えるよりないのではないでしょうか?。
リフォームか?建て替えか?
私は貧乏な中、苦労してやっと建てた自宅には強い愛着があり、壊して建て直す決断がつかずにいますが、建築業者の営業の方は全面リフォームよりは建て替えの方が安くつくし、間取りや天井高など建築計画の自由度の幅が大きくなり、使い勝手や耐震性能も比較にならないほど向上すると言って建て替えを勧めます。
本当に建て替えの方がリフォー
ムより安くつくのでしょうか?
リフォームと建て替えをする場合の最大の相違点は、住まい続けながら工事を進めていけるリフォームに対して、建て替えは、家財道具から家族全員引っ越しをし建物を完全に空けてしまわなければ工事出来ません。補強補修工事は機械化が難しく工事の手間代は新築よりは多く必要とします。階段の位置を変えたり一階二階を貫いている通柱を動かしたりする工事は大変ですが、綱材などで補強すれば出来ない事ではありません。
建物の傷み加減、間取り変更の度合いなどによっては、リフォームの方が格段に安くつく事もあります。一概に結論は出せないところです。
住宅は家族の生活の歴史を刻み込んで来た場所ですから利便性や経済性だけでは割り切れない愛着心もあり、私はそのお気持ちを大切にしたいと思っていますが、建て替えた方が経済的な場合が少なくないのが現実です。
高齢者住宅のバリアフリー化工事について
私は高齢の両親を介護していますが20年前に建てた住宅で段差が多く、体の衰えた年寄りには行動しにくい住居なので何とかしたいのですが、助成金などを利用する方法がありますか?
家族の中に介護認定を受けた方がいらっしゃれば介護保険から段差解消工事や手すりの設置工事などに対し、介護認定者お一人当たり¥20万まで工事費の90%¥18万が出ます。
詳しい事は担当の介護福祉士(ケアーマネージャー)にご相談ください。その外、殆どの市町村が単独で介護保険受給者に対し、トイレや浴室の改良費を最高¥40万くらい助成する制度を設けています。市町村の福祉事務所窓口で相談出来ますのでお訪ね下さい。
その他制度融資のご利用も相談にのってくれます。
市町村福祉事務所窓口には、必要とあれば私どもの専門担当が同道いたしますのでお申し付けください。
工事途中での解約や中止について
工事を始めてもらいましたが私の「思い描いていた」イメージとはかけ離れた方向に進み、何度訂正を要求しても聞き入れてくれません。
手を引いてもらい、他の業者に頼むより無いと考え、とりあえず工事を中断してもらいましたが、円満に辞退をしてもらうにはどうしたらいいでしょうか?
お互いが計画段階から十分な意志の疎通をはかっていなかったのがトラブルの原因ですから一方向的に、片方だけ責任を負わせる話では解決できません。
公平な立場の仲裁者を探しお願いして、双方の損失額を算定して金銭で解決するのが最も一般的な解決方法です。
どのようなトラブルでも原因をたどれば、計画段階の打てあわせ不十分や、施主側の建築専門用語が十分理解出来てない事に起因している場合が殆どです。
請負業者の設計施工ではなく、公平な第三者の設計監理によって工事を進めるようにすればトラブル自体の発生が少なく、起ったトラブル解決も迅速に進むことになりますから、設計監理料金が必要になりますが信頼出来る専門家の第三者を介在させる事をお勧めします。
マンションか?戸建て住宅か?
私は転勤族で40歳半ばまでマイホームを持たずに来ましたが、子供達の度重なる転校を避けるためにしかるべき場所に住居を構え、私の方が単身赴任をすべく生活パターンを変えようと思うのですが、生活の本拠となる住居をマンションにした場合、退職後の年金生活になったときにマンションの改造計画などが持ち上がった際に、ローンによってその工事費を負担することは困難になりそうなので、交通アクセスの悪い場所になっても戸建てを選択せざるを得ないと思いますがどうでしょうか?
ご心配はご最もです。利便性を優先すればマンションを選択することになるでしょうがリタイヤ後の余生をのんびり過ごすのも捨てがたいですね、今後ますます医学が進み体に故障を抱えつつも高齢で長生きの老後が考えられます。
そのような条件下では病気治療やデパートでの買い物、教養や娯楽を楽しむための「お出かけ」回数が多くなると予想されますので、それらの利便を考えると市街地に立地するマンションの方が、郊外の一戸建てよりも高齢者に向いているとも言えます。
信頼性の高い工事のマンションであれば40歳を過ぎて新築マンションを買った場合でも、50年くらいは建て替えの話が出て来る事は無いと考えていいと思います。
個々の皆さんの老後のライフスタイルによって、あるいは価値観によって必然的に市街地か、郊外かの、選択をすることになるのではないでしょうか?
マンションは戸建て住宅に比べ改装修理や建て替えなど建築の個人的自由度は狭いですから、年金生活になってから改修や建て替えの計画が持ち上がったときには、対応に苦慮する事態が考えられなくもありません。
今の法律では、その棟の居住者の3/4以上の意志で建て替えなどが行える仕組みになっていますので、人生設計との兼ね合いで慎重に結論を、お出しになるよりないのではと思います。
燃えない住宅は出来ますか?
このところ住宅火災が頻発し、お年寄りや幼児の焼死が毎日のように報道されています。
テレビに映し出される燃え尽きた火災現場を見るにつけ、何故あれほど見事に燃えさかる住居に人が住んでいたのだろうかと・・・もっと根本的に燃えにくい住宅は出来ないものかと考え込んでしまいます。
火災報知器の設置義務が制定されつつあるなかで、私は火災報知器が意味無しとは思いませんが、このごろの住宅火災の燃焼速度の早さからして、報知器の警報が避難に間に合わないのではないかとの疑問を感じています。
燃えない住宅を造ることは無理としても燃えすすむ早さを抑える住宅は出来ないものでしょうか?
最近の住宅建材や防腐剤、防虫剤、接着剤、塗料などには石油化学製品が多く混ざっています。
土、純天然木材、竹、稲わら、麦わら、茅などを主な建築材料に使っていた昔の建物に比べて格段に燃焼速度が速くなっただけではなく、石油化学製品類が燃焼に伴って多量の有毒ガス、燃焼ガスを含んだ煙が一気に大量発生、被害者のガス中毒を誘発し、石油製品から発生した燃焼ガスが爆発的に燃え上がる、フラッシュオーバーによって現場を大火災化します。
我々は、「燃えにくい住宅をつくれ」とおっしゃる素朴な需用家のご要望に謙虚に耳を傾け、根本的に住宅づくりを考え直さなければと考えています。
火災報知器には火災発生を抑える機能はありません。発生を早く知らせて逃げる時間を少しばかり長く保とうとの発想から生まれたものです。
昔の農家住宅には天井の上に竹を組んで4〜5cm厚みで土を覆った「ヤマト」と言うカイコを育てたりする屋根裏部屋が作られている家が多くありました。
建物の一部に火が付いても、燃え盛るまでに家財道具を運び出す時間的余裕がありました。
土を塗り重ねた壁は横への燃え広がりを防ぎます。
柱や梁の構造材(木材)も表面が少し焦げると炭化して燃焼が止まるので、火事で建物が早々と崩れ落ちる事は無く、火事による焼死事故は滅多ににありませんでした。
私たちはもう一度「燃えにくい建物」の仕組みについて考え直す必要があると思います。
私どもは新築やリフォームのご依頼を頂いたときは、その計画にあたり真剣に不燃住宅と取り組む事をお約束いたします。
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